コロンビアの「世界一美しい教会」ラス・ラハスを訪ねて

コロンビアの小さな街イピアレスの魅力と、知る人ぞ知る渓谷の絶景ラス・ラハス教会をご紹介します。

 コロンビアからエクアドルに抜ける途中、国境近くの小さな街に「世界一美しい」と言われる教会があると聞きつけやってきたのはIpiales(イピアレス)。地図で示すとこのあたりです。

 

お隣エクアドルとの国境までは車で約20分ほど。人口12万人ほどのおだやかな街で、大きなスーパーがセントロと呼ばれる中心街に1軒、住宅地に1軒ある以外は個人が営む商店がほとんどです。

 

とはいえ、バスターミナルの周辺にはホテルが立ちならび、街中にもパン屋さんやキオスク、カフェや食堂、屋台などが揃っているため滞在するには全く困りません。物価も都市部と比べると安く、時期にもよりますがホテルはシングル一泊約20,000ペソ(約800円)〜、カフェでクッキー2枚とコーヒーを頼んで1,000ペソ(約40円)、夕食も3000〜4000ペソ(約120〜150円)程度払えばおなかいっぱい食べられるので、貧乏旅行者としてはありがたい限りです。

 

街の様子。

 

さて、この街にやってくる旅行者(その大半が近隣諸国からで、欧米人やアジア人はほとんど見かけません)の多くが必ず足を運ぶのが「世界一美しい」と評判のSantuario de Las Lajas(ラス・ラハス教会)。街中からタクシーでも行くことができますが、今回わたしはコレクティーボと呼ばれる乗り合いタクシーを利用しました。

 

バスターミナルの入り口付近、黄色いタクシーが十数台列をなして停まっているところが目印です。コレクティーボは白いミニバンやごく普通の乗用車なので一見わかりづらいかもしれませんが、たいてい運転手のおじさんが近くで「Las Lajas, Las Lajas」と叫んでいるのですぐ見つかると思います。発音のクセ上「ラスラアス, ラスラアス」と聞こえるかもしれません。また、国境まで行くコレクティーボも同じ場所から発着するので間違えないように注意してください。こちらは「Frontera(フロンテラ)」と叫んでいます。

 

コレクティーボの運賃はバスターミナル〜教会までで一律2,000ペソ。帰りも同じ値段で、バスターミナルで降ろしてもらうかセントロで降ろしてもらうか選ぶことができます。コレクティーボは自分を含めて乗客が4人集まらないと出発しないので、観光客が少ない時期は人が集まるまで長く待たなければならないのが唯一の難点でしょうか。タクシーで行くと8,000〜10,000ペソ程度かかりますが、スケジュールに余裕のない人はこちらを選ぶとよいかもしれません。

 

 

さて、コレクティーボに揺られること約15分。坂道の途中で降ろされます。

 

 お土産やさんや屋台、食堂の立ち並ぶにぎやかな坂を下っていきましょう。この日は日曜日だったのでかなり賑わっています。

 

見渡せば緑豊かな渓谷。写真だとわかりづらいかもしれませんが、かなりの高度です。

 

 

 …さて、寄り道はほどほどにして、先を急ぎましょう。(筆者は歩き始めて数分で出会ったこの犬たちとついつい夢中になって遊び遊ばれ、気づけば2時間が経過していました

 

 

 急斜面を下っていくと、だんだんとそれらしい雰囲気になってきます。そうして見えてきたのは…

 

 切り立った渓谷に立ちはだかるどっしりとした存在感と、細部の繊細で美しい装飾が見事にあわさって、なんとも荘厳です。人が多いにもかかわらず、静謐で神秘的な空気が小雨とともに肌を包み込むようでした。

 

遠くから眺めたり、中に入ってみたり、下から見上げてみたりと、どんな角度から見ても美しいです。山に囲まれているので空気がおいしく、時々色鮮やかな花々や小鳥を見つけられるので散策していて飽きません。

 

こちらは途中で見つけた、チーズをフルーツのコンポート3種類と合わせたもの。何かわからなかったので好奇心で買ってみました。おいしかったです。他にも揚げパンやチョリソー、ケーキやアイスまでいろいろと売っているので、現地の人たちに混ざって買い食いしてみると楽しいかもしれません。

 

 

さて、「世界一美しい教会」ラス・ラハス。豊かな自然と澄んだ空気のなかにひっそりと佇む厳かな姿はその名に恥じぬ美しさでした。コロンビアやエクアドルにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてください!

 

 

そして最後にひとつだけ。

旅人の多くが教会だけを見て一日で立ち去ってしまうイピアレス。たしかに街自体はとても小さく、一日あれば十分歩きまわれてしまいます。けれど、この街に(諸事情あったとはいえ)5日間滞在した筆者にとっては、イピアレスの一番の魅力は住民のあたたかさです。

 

小さな街だからこそ住民同士はみな顔見知りで、すれ違えば肩をたたきあい、道端でおしゃべりに花を咲かせ、滅多に見ないアジア人を見ればスーパーの店員が仕事そっちのけで駆け寄ってきて質問攻め…

 

毎朝通ったパン屋のおじいちゃん、スーパーの鮮魚売り場のエリサ、中華食堂で日本語を教えてとせがんできたエヴァ。たくさんのあたたかい出会いのおかげで、教会だけではないイピアレスの魅力を知ることができました。皆さんもイピアレスにお越しの際はぜひ、ほんの少しだけでもスペイン語会話にチャレンジしてみてください。そうすればきっと、世界一美しい教会に引けをとらない、とびっきりの笑顔に出会えるはずです。

 

(文・三橋 咲)