冬のオーストリア旅行記・前編

友人の現実逃避旅行に付き添う形で訪れた地は、想像以上に美しく息を呑む絶景でした。

 

ヨーロッパに留学する醍醐味の一つは、比較的安い値段でお手軽に様々な場所に旅行へ行けること。

 

秋からイギリス留学中の私ももちろん、クリスマスシーズンの旅行を満喫してきました。行き先はオーストリア。首都のウィーンには行かず、ドイツ側のザルツブルクハルシュタットを4泊5日で訪れました。元々、同じくイギリス留学中の高校の友達が課題に追われ現実逃避のため計画していた旅行で、「世界の湖畔の中で最も美しい」とされるハルシュタットを訪れるのが彼女の最大の目的でした。「なぜわざわざ真冬にオーストリア!」と声を大にしてつっこみながらも、逆に自分だけでは一生ハルシュタットを訪れることがないような気がしたので一緒に行かせてもらいました。ハプニングだらけの女子二人旅、今回はハルシュタット編です。

 

早朝に大学の寮を出発しスタンステッド空港から約2時間、まずはザルツブルク空港に着きました。今回の旅行は前半がハルシュタット、後半がザルツブルク滞在予定だったので、一旦ザルツブルクとはお別れしてそのままハルシュタットへ向かいました。

ザルツブルク中央駅からバスで2時間ほど揺られ、まずはバード・イシュルというところへ。ここまでで既にバスから見える雪景色にテンションが上がりパシャパシャと大量の写真を撮ってしまいました。

 

 

 

バード・イシュルからはバスもしくは電車+渡し舟でハルシュタットに着きます。バスの方が若干安いので、時間がかかるもののこっちにしようと事前に決めていましたが、やはり渡し舟も乗ってみたい!ということで急遽電車を選びました。急遽すぎて次の電車が3分後、一本後は待ちたくないという状況で焦って切符を買ったらちゃんと購入できていなかったようで、結局車内でも運賃を払わされ2倍の交通費がかかってしまいました。「お金で解決できるのならトラブルではない」なんてのんきなことを言いながらいよいよハルシュタットへ。

 

この景色に、開いた口がふさがらない
この景色に、開いた口がふさがらない

 

電車を降りてすぐに広がる、圧倒的山の存在感にただただ感動しました。一緒に電車に乗ってきた集団のほとんどが渡し舟に乗り込んでいくのを見送りながら、友達は一眼レフを、私はiPhoneを片手にじっくりと景色を眺め写真撮影。しかし、今度はこの焦らずゆっくりスタンスが逆に仇に。なんと次の渡し舟の時間が1時間後で、最初の20分は「写真を撮っていればあっという間だよ!」なんて楽しそうにしていた友達もマイナス2度の気温に徐々に体力を奪われ、冷えたベンチに座り込み何も喋らなくなってしまう状況が40分続きました。やっと渡し舟が来た時には日が落ちあたりがすっかり暗くなってしまいましたが、町がライトアップされていてこれはこれで素敵な景色が見られました。

 

寒かった。けど夜の町は本当に綺麗だった。
寒かった。けど夜の町は本当に綺麗だった。
ハルシュタットでの拠点。実はここに至るまでも一苦労あったり...
ハルシュタットでの拠点。実はここに至るまでも一苦労あったり...

 

可愛らしいコテージのようなホテルで一晩を明かし、翌朝7時過ぎに起きてすぐ外へ出かけ氷点下の中朝の散歩を楽しみました。日の出前の景色もまた違った美しさがあり、透き通るほど水が綺麗な湖とそれを囲うようにして連なる山々の魅せる表情に圧倒されました。

 

 

日中はとにかく歩き回って町の散策を。と言っても、ほとんどのお店が並ぶ湖沿いに続く道なりを、端から端まで行っても40分ほどで回れちゃうぐらい小さな町なので1日あればかなり満喫できます。多くの観光客はハルシュタットに一泊するのではなく、ザルツブルクやバード・イシュルから日帰りで訪れるくらいです。夏にはケーブルカーで山からの景色を楽しんだり、古代ローマ時代から歴史があるとされている岩塩坑の見学に行けたりしますが、冬は雪のせいで全て休止しているので、その分さらにゆったりと町を堪能できます。

 

お土産屋さんもたくさん
お土産屋さんもたくさん
ここでお昼ご飯食べた。地元の魚美味しい。
ここでお昼ご飯食べた。地元の魚美味しい。

 

可愛らしい外観のお店が多い平地を堪能した後は、少し急な階段をどんどん上がっていくと地元の方のこれもまた可愛らしいお家を見たり、上からの町並みを堪能することができたりします。「オーストリア一インスタグラムに載せられている町」としても有名なハルシュタット。私も歩くたびにずっと「かわいい〜」が止まりませんでした。

 

どんどん上の方に進んでいくと...
どんどん上の方に進んでいくと...
突然こんなにかわいいお家が出てきたり。
突然こんなにかわいいお家が出てきたり。
ハートを見つけちゃったり。
ハートを見つけちゃったり。
上から見下ろす景色も最高にかわいい
上から見下ろす景色も最高にかわいい

 

ハルシュタットに2泊しゆったりと町を満喫した後は、ザルツブルクへ再び戻ります。今回は1日目の反省を生かし事前にちゃんとバスの時間もしっかり調べて計画を立ててから出発したのでトラブルなく中間地点のバード・イシュルに着くことができました。実はこのバード・イシュルという町も、温泉で有名な場所で観光し甲斐があるという情報をネットで知り、せっかくなので探索してみようということになりました。ハルシュタットよりは大きいけれどまだまだこぢんまりとした町で、お店もクリスマスらしい装飾がされていて可愛らしい雰囲気でした。ここでの私たちの目標は二つ。今でもオーストリア中に愛されている皇帝・フランツ=ヨーゼフ1世と美しい美貌で有名なその皇后・エリザベートの別荘であるカイザービラの見学と、ハルシュタットでは冬季閉鎖していて乗れなかったケーブルカーに乗って高い位置から自然と町並みを楽しむこと。

 

なんとなくカイザービラへの行き方を調べていたのでそれを頼りに進んでいくと、ちゃんと道の標識も出てきてそれ通りに進んでいきました。が、どんどん中心部から離れていきこれ以上進んでも何もなさそうな道に迷い込んでしまい、来た道を戻ったり同じところを二度歩いたり完全に迷子状態。外国へ旅行に行ったことがある方も一度は体験したことがあるかもしれませんが、何にせよ海外の標識は実は当てにならないのです。突然パッと矢印が現れたかと思いきやそれ以降全く方向を表してくれるものが消えたり、次の標識はなぜか来た道を帰れという方向の矢印だったり。私もヨーロッパ旅行に行くと毎回一度は「やられた」と思うことがあるので皆さんもくれぐれも標識を100%信頼しないようにしてくださいね。

 

大雑把すぎるのよ。
大雑把すぎるのよ。

 

中心部に戻って立派すぎる建物のインフォメーションセンターに立ち寄り地図をもらい、それでもなかなか辿り着けずぐるぐると歩いているうちに、町の少し上の山の方に何やらただ者ではない風貌の建物を見つけることができました。想像していた”皇帝の別荘”というよりはモスクのような雰囲気があり少し驚いたものの、方向も合っていたし目指して歩いてみましたが、それも途中で違うものだと判明。散々歩いた結果ようやくカイザービラ公園の入り口を見つけたと思いきや…

 

まさかのCLOSED.

 

2時間弱探し回った努力は報われず塀越しに見えたカイザービラの写真だけしか成果はありませんでした。が、そこにたどり着くまでに何往復もした並木道や川の上の橋からはたくさん自然のマイナスイオンを吸収することができた気がしたのでよしとします。

 

多分これがカイザービラ...
多分これがカイザービラ...
ここの川の水も本当に綺麗。そして奥に偽カイザービラが見えるだろうか
ここの川の水も本当に綺麗。そして奥に偽カイザービラが見えるだろうか

 

バード・イシュルでの第二の目標はケーブルカーに乗ることでしたが、これはもともと少し距離が離れたところにあるものだとわかっていて、せっかく歩いたのにまたやっていなかったら悲しいなと弱腰になりもう一度インフォメーションセンターへ行き聞いたところ、「明日からならまた動くわよ〜」と民族衣装らしきものを着た受付のおばさんにあっけなくケーブルカーが営業していないことを告げられました。

 

立派すぎる外観のせいで2回ぐらい素通りしたインフォメーションセンター。お世話になりました。
立派すぎる外観のせいで2回ぐらい素通りしたインフォメーションセンター。お世話になりました。

 

ということで、途中で寄り道したバード・イシュルで事前にやりたいと思っていたことはどちらも達成できませんでしたが、ハルシュタットとはまた違った可愛らしい町並みを見ることができたのでほっこりした気持ちになりました。

 

ちょっと入った路地までもがかわいい。羨ましい。かわいい。
ちょっと入った路地までもがかわいい。羨ましい。かわいい。

 

ハプニングだらけの旅はまだまだ続きます。次回は映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台でもあるザルツブルク編です!お楽しみに!

 

(文・写真  三村智世)