外大生と巡る世界のことば フランス語編② 発音2

外大生と巡る世界のことばシリーズ、フランス語編の続きです。前回に引き続き発音について。

外大生と巡る世界のことば

フランス語編 1.発音②

 

皆さん、新年明けましておめでとうございます。

 

さっそくですが、今回は前回の続きとしてフランス語の発音を学びます。

 

前回は、1.フランス語のアルファベット

    2.綴り字記号

    3.注意すべき文字

について、すなわち主に表記の上での約束事や注意点について扱いました。

 

今回は、それらに加えて音声上の規則や注意点について勉強しましょう。

フランス語の流麗な響き、その仕組みについて考えていきます。

 

1−4.フランス語の注意すべき文字と音

 

フランス語の「音」には、大きく分けて以下の4つがあります。

すなわち、1.母音

       フランス語の母音字はa e i o u + yでした。

     2.鼻母音

       母音+m, n 鼻に息を抜いて発音されます。

     3.半母音

       半子音とも。iやuなどの母音を前後の母音と一体化させて

       母音としての機能を喪失させたものです。発音自体は簡単な

       ので特に気にする必要なし。 nuit(ニュイ) など

     4.子音

       上記以外の音。

 

ここでは、特に注意が必要な文字と音について解説します。

 

1.am, an, em, en, aim, ain, eim, ein, um, un, im, in, ym, yn

 

鼻母音ですね。いずれも発音は「アン」です。

encore(アンコール) symbole(サーンボル) un(アン) Saint(サン) など

 

2.om, on

 

同じく鼻母音。発音は「オン」。

ombre(オンブル) など

 

3.s, gu, ch, gn, ph, rh, th, qu, ti

 

注意すべき子音です。

sは母音に挟まれると濁音になります。 Les Misérables(レ ミゼラブル)

guはi, eの前ではガ行の音になります。(uを無視) guide(ギッド)

chは外来語以外はシャやシの音。 chat(シャッ)

gnはニャ行の音になります。 espagnol(エスパニョル)

phはファ行に。 philosophie(フィロゾフィ)

rh, thはhを無視します。 esthétique(エステティック)

quはカ行で発音します。 question(ケスティオン)

tiは母音が続くときティおよびスィの2パターン。 question(ケスティオン) nation(ナスィオン)

 

4. il(l)(e)の半母音

 

この音は発音としてはどれも「イユ」です。

famille(ファミーユ) feuille(フーイユ) soleil(ソレイユ)

 

5.ai, ei

 

複母音字というものです。発音は「エ」。

 

connaître(コネートル) 

 

6.au, eau

 

発音は「オ」。

 

l’eau(ロー)

 

7.eu, oeu

 

発音は「ウ」。弱いウです。

 

soeur(スール)

 

8.ou

 

発音は「ウ」。強いウです。

 

gourmet(グルメ)

 

9.oi

 

発音は「ウワ」。

 

croissant(クロワッサン)

 

10.ay, oy

 

発音は「エイ」、「ウワイ」。

 

essayer(エッセイエ)

 

11.同じ子音の連続は一つの子音として考えます。このときssは母音に

   挟まれても濁りません。

 

croissant(クロワッサン)

 

1−5.リエゾン・アンシェヌマン・エリジオン

 

次は、フランス語を発音・表記するにあたって適用される3つの連音規則について学びます。これらの規則ですが、慣れるまではついつい忘れてしまいがちです(特にリエゾンとエリジオンは注意が必要だと思います)。各規則の名前を覚える必要はないですが、内容は絶対に覚えねばなりません(とはいえ、一度学んでしまえば、勉強しているうちに自然と身につきます)。

 

1. リエゾン(Liaison)

多くの場合、語末の子音は発音されないと述べました。その発音されない子音の後に、母音または無音のhで始まる語が続くと、その子音が発音されるようになります。これがリエゾンという現象です。

   

petit(プティ) + enfant(アンファン) → petit enfant(プティタンファン)

   des(デ) + oranges(オランジュ) → des oranges(デゾランジュ)

   grand(グラン) + hôtel(オテル) → grand hôtel(グラントテル)

※例えば、hôtel(オテル)のhは無音のhです。一方で、例えばhéro(エロ)「英雄」のhは有音(気音)のhとして扱われ、発音をしないことには変わりないのですが、リエゾンを起こしません。つまり、いずれの場合も発音はしないのだが、文字として存在すると見なすか否かが、hの有音・無音の線引きになっていると考えられます。では、hが有音なのか無音なのかを見分けるためにはどうすればいいのでしょうか。実は、これは単語ごとに決まっていることなので、残念ながら簡単な見分け方というものはありません(ラテン・ギリシア系統の単語は無音のものが、ゲルマン系統の単語は有音のものが多いという話を聞いたことがありますが、すべてがそうというわけでもなさそうです。てか少なくともラテン語ではhを発音するんだけどなあ…)。とはいえ、有音のhの単語はさほど多くはありませんから、基本的には無音のhとして扱っていけば良いでしょう。なお、辞書には有音のhの場合そのhに印がついているので判別ができます。

 

さて、リエゾンについては細かなルールがたくさんあるので、以下に述べます。

たくさんの例に触れて自然に慣れるということに加えて、細かいルールを少しずつでも覚えていくという意識的な作業も必要だと思います。

 

① リエゾンが起こる場合

・ 冠詞など+名詞

 

des oranges (デゾランジュ)  les hommes(レゾム) 

 

・ 形容詞+名詞

 

petit enfant (プティタンファン)  grand hôtel(グラントテル)

 

・ 主語人称代名詞+動詞

 

nous habitons (ヌザビトン) vous êtes(ヴゼット)

 

② リエゾンが起こらない場合

・ 有音のh

les(レ) héros(エロ) ◯

les héros(レゼロ) ×

 

・ 名詞の主語+動詞

Japon(ジャポン) est(エ) ◯

Japon est(ジャポネ) ×

・ 接続詞et(エ)「そして」

et(エ) aujourd’hui(オジュルデュイ) ◯

et aujourd’hui(エトジュルデュイ) ×

 

③ リエゾンに伴って音が変化する場合

・ s、xは濁音になります。

 

des oranges (デゾランジュ)  les hommes(レゾム)  nous habitons (ヌザビトン)  vous êtes(ヴゼット)  deux enfants(ドゥザンファン)

 

・ dは静音になります。

 

grand hôtel(グラントテル)

 

・ fは濁音になります。

 

neuf ans(ヌヴァン)   neuf heures(ヌヴール)

 

2. アンシェヌマン(Enchaînement)

通常発音される語末の子音の後に、母音または無音のhで始まる語が続くと、その母音と一体化して発音される現象のことを指します。

 

il(イル) + a(ア) → il a(イラ)

une(ユヌ) + école(エコール) → une école(ユネコール)

 

3. エリジオン(Élision)

ce、de、je、le、la、me、te、se、ne、que、siの11語の後に、母音または無音のhで始まる語が続くと、これら11語の最後の母音の省略が起きます。この現象をエリジオンといいます。

 

je(ジュ) + ai(エ) → j’ai(ジェ) 

   te(トゥ) + aime(エム) → t’aime(テーム)

   si(シ) + il(イル) → s’il(シル)

 

1−7.フランス語のアクセント・イントネーションについて

 

① アクセント

綴り字記号のアクサンが実際に発音される際のアクセントを示すわけではないということはすでに述べましたが、では細かな発音規則を覚えればいいのかというと、実はそれほど複雑ではありません。まずは、以下の基本原則を押さえておきましょう。

 

フランス語では、単語あるいは語群で、発音される音節の最後にアクセント!

 

細かい音節の分け方については、後々解説しますが、大雑把に言ってしまえば、フランス語は後ろの発音が強いのです。

 

Bon appétit (ボナペティ↑)! この例ではbonとappétitが語群であり(つまり全体として1つとして捉える)、全体として後ろが強いわけですから、最後のappétitの最後の音節(母音を含むまとまり)であるtitの部分が強くなります。

 

simple(サー↑ンプル) この例では、一見すると最後から一つ前の音節にアクセントがあるように思われますが、語末のeは発音しないという原則に則って、アクセントが一つ前に移るというわけです。柔軟に考えましょう。

 

② イントネーション

 

さて、単語・語群単位でのアクセントについて概観しましたが、これを文章単位で考えるとどうでしょう。基本的には①の原則を適用すれば良いのですが、文章の場合は単語で切ることは少なく、語群(意味・表現のまとまり)で切ることが多くなりますね。そのときに気をつけねばならないのが、イントネーション、抑揚です。結局は発音というのは自分の耳で聞いて覚えていくのが一番なのですが、イントネーションについて言及しますと、最初上がって後下がるというのがフランス語のイントネーションの基本です。

 

Nous allons aux Champs-Élysées(ヌザロンオウ シャンゼリゼ).

    ⤴︎    ⤵︎   

疑問文の場合は尻上がりになるなど例外はもちろんあります。

 

以上が発音の注意点としてdesde el principio hasta el fin思いついたものです。ここまで書いておいてなんですが、発音はやはりネイティブの発音から身につけるものだと思うので、こうした知識は補助的なものとして捉えることをお勧めします。各単語にも発音のルビを振ってありますが、もちろん正確な発音を表しているわけえはありません。生の音声に触れましょう。

 

ではまた次回。

A bientôt.

 

(文:加瀬 拓人)