バングラデシュ片想い

「バングラデシュの煌めきが詰まっている」と海外サイトで話題沸騰中!チッタゴン丘陵地帯、ランガマティという都市に行ってみませんか?

 

ナモシュカール!こんにちは、ベンガル語科一年の手塚です。2017年も始まりましたが、私たち新入生が外大に入学してから、早一年が経とうとしています。

 

実は、わたしはベンガル語科として一年間過ごしてきて、落ち込んだことがあります。それは、「バングラデシュという国があまりにも日本人に知られていない」ということです。自己紹介で「大学ではベンガル語を専攻しています」というと大抵、「えっ何?」と聞き返されるのが常で、「ベンガル語」と「バングラデシュ」という国が結びつく人となると更に少ないはずです。もしかしたら、これは小語科の定めかもしれませんが、実際かなりショックでした。もっと、日本の人々にバングラデシュという国について知ってほしい!親しみを感じてほしい!願わくは、ベンガル語科を志望する受験生を増やしたい!外大生にはベンガル語を地域言語C(外大の授業の一つの単位)でとってほしい!そんな気持ちに動かされて、執筆させていただきました。

 

 

 

まず、バングラデシュの基礎知識を、おさらいしたいと思います。

 

・正式名称:バングラデシュ人民共和国

 

・面積:14万7千㎢

 

・人口:1億5940万人

 

・宗教:イスラム教徒89.7%、ヒンドゥー教徒:9.2%

 

(外務省ホームページより引用)

 

 

 

これは、北海道の1.7倍ほどしかない面積に、日本の総人口より多くの人が住んでいるということです。なんという人口密度の高さ‼わくわくしますね‼

 

またこの地域は「黄金のベンガル」と称されるほどに豊かな自然や資源を持っています。美しい海岸、ロイヤルベンガルタイガー、緑に包まれた森、色とりどりの果物、人懐こさをもつベンガルの人々。このようにバングラデシュという国には、実は言い尽くせない魅力が詰まっているのです。

 

 

 

その中でも、「旅」をテーマにしたこの記事の中で紹介するのは、「ここに行かなければバングラデシュの色とりどりの煌めきを味わう機会を逃してしまうだろう」と海外サイトで話題沸騰中の「ランガマティ」という都市です。

 

バングラデシュの南東部、チッタゴン丘陵に位置するランガマティは、色鮮やかな衣装をまとう先住民族や、美しい自然、象牙のジュエリーなどが有名で、バングラデシュでも有数の観光地です。

 

 ここには、チャクマやマルマ、トリプラ、トンチョンギャ、ムルン、ボメ、クミ、キャン、チャク、ルサイ民族など、たくさんの少数民族が住んでいます。これらの人々は、みな焼き畑文化を持つので、それらの民族を総称してジュマ(焼き畑をする人々)と呼ぶこともあるようです。この多様な人種や文化、宗教間の違いが、ランガマティで非常に興味深いコミュニティーを形成する要因となっています。彼らの文化を体験できる施設もあり、ベンガル人がマジョリティーを占めるバングラデシュでは貴重な場所だといえます。

 

 

 

そんなランガマティの代表的な観光スポットは、カプタイ湖と呼ばれる発電のための人為湖です。1962年、当時のパキスタン政府によって作られました。(※バングラデシュは1971年にパキスタンから独立。)このために、アメリカからの援助金1億ドルを用いたともいわれている、バングラデシュの電力供給には欠かせない場所であります。それだけでなく、カプタイ湖に浮かぶいくつかの小さな島をめぐり、クルージングをしながらバングラデシュの雄大な自然を楽しむこともできます。また、湖の上には335フィートにもなる吊り橋が渡されており、カプタイ湖を一望できるようです。

 

 

掲載した写真は、(http://invitetobd.blogspot.jp/2011/10/hanging-bridge-jhulonto-bridge.html)からの引用です。心が洗われる美しさですね。

 

 

 

 このように、カプタイ湖は、ランガマティのアイコンといっても過言ではない場所ですが、その陰で犠牲にされてきたものもあります。それは、先住民の人々の暮らしです。実は、このダムの建設により、チッタゴン丘陵の耕作地の約40%に当たる625㎢もの土地が水没したそうです。約10万人の先住民の人々が立ち退きを強いられ、そのうち4万人は代替地も与えられず、周囲の国々に移動せざるを得ませんでした。「見えないアジアを歩く」(著:見えないアジアを歩く編集委員会 刊:三一書房 2008年)という本で、著者がインタビューしたジュマの一人は、カプタイ湖の上でボートを止め、「あそこに友人の家があった。この船の下あたりに小さな川が流れていた。川の少しわきに大きな菩提樹があって、いつもそこで友達と遊んだ。その少し下ったところに僕の家があった。でも、もう戻らない。」と述べています。開発・観光産業の陰で、踏みにじられ失われてきたものがあり、傷ついてきた人々がいたことを私たちは忘れてはならないのです。

 

 

 

 ランガマティには、ほかにも、Shuvolong Fallsと呼ばれる滝や、Shajek and Marissa Vallyと呼ばれる谷があり、ランガマティの自然を肌身で体感することができます。

 

 

 

 情趣あふれる国、バングラデシュ。その美しさを味わい知るために、ぜひ一度、ランガマティを訪れてみてはいかがでしょうか?きっと、バングラデシュの持つ引力に、引き付けられること間違いなしです。

 

 

 

 最後に、ベンガル語で諺を紹介して、締めくくりたいと思います。

 

রোম শহর একদিনে তৌরি হয় নি।

 

Rom syohor ekdine toiri hoe ni. 

 

(ロム ショホル エクディン トイリ ホエ ニ)

 

ベンガル語は日本語と同じ語順なので、直訳すると、「ローマの街は一日で作られなかった」となります。もうわかった方も多くいらっしゃると思いますが、「ローマは一日にしてならず」です。この言葉通り、大事業は長年の努力なしには成し遂げることはできません。目標をもって新たな年を迎えられた皆さんに、幸あれ。

 

写真引用:http://www.fanpop.com/clubs/bangladesh/images/9418428/title/royal-bengal-tiger-wallpaper

 

 

 

(文・手塚優希)