外大生と巡る世界のことば フランス語編 1.発音①

外大生と巡る世界のことばシリーズ、今回から方針転換!フランス語編開講です。

 

外大生と巡る世界のことば

フランス語編 1.発音①

  

こんにちは。お久しぶりですね。

 

 

『外大生と巡る世界のことば』シリーズ、不定期ながらもまだまだ気長に続きます。

  

 

今までは対話形式をとって、基本的に1言語1記事に収めていましたが、これでは情報が偏りすぎますし、そもそもある言語を一度の連載で概説するという試み自体が無謀でした。したがって今回のフランス語からは、きちんと連載回数を重ねて、なるべく網羅的に、1つの言語に焦点を当てていきたいと思います。今までに扱った言語も、ゆくゆくはきちんと網羅的に扱おうと思います。

 

  

前置きが長くなりました。さて、今回話題にしたいのは、言わずと知れたメジャー言語、フランス語です。

 

話者人口は2億人に達するとも言われ、国連をはじめ多くの国際機関で公用語として用いられているフランス語は、その源流をラテン語に持つロマンス語系統の言語ですね。

 

同系統の言語としては、今までにスペイン語、イタリア語、ルーマニア語をとりあげてきましたが、例に漏れず、フランス語はこれらと多くの共通点を持っています。

 

もちろん、言語に優劣をつけることなどできませんが、フランス語の持つ国際的な影響力には目を見張るものがあります。ぜひ皆さんフランス語を学んで、世界を広げていってください。まずは、フランス語の発音の基礎を二回にわたって学びます。

 

 

1-1.文字について

   

フランス語は、英語と同じ26文字のアルファベットを用います。しかしながら、他のロマンス諸語と異なり、発音についてはローマ字読みそのままというわけにはいかないのがフランス語の厄介なところです。

 

 

 

  B   C   D   E   F エフ   G ジェ   H アシュ   I   J ジイ     L エル   M エム   N エヌ   O   P   Q キュ   R エール   S エス   T   U   V ヴェ   W ドゥブル ヴェ   X イクス   Y イ グレック   Z ゼッドゥ

 

※ルビは各アルファベの名前であって、単語中で必ずしもこの通りの発音になるわけではないです。

 

 

 

母音はA E I O U + Yです。(Yは子音になることもある)

 

 

 

 

 

1-2.綴り字記号

 

 

 

フランス語の表記にはアルファベット26文字+綴り字記号を用います。

 

綴り字記号とは、いわば発音補助記号のようなものであり、以下の五種類に分類されます。

 

 

 

アクサン

 

母音字a e i o uの上につく記号です。アクセントを表す記号ではありませんので注意してください。細かい話は置いておいて、初学の際は単なる飾り程度に思っておけば良いでしょう。

 

 

 

é アクサン・テギュ

 

à アクサン・グラーヴ

 

ê アクサン・シルコンフレックス

 

 

 

アクサンは大文字につく場合には省略することができます。

 

 

 

②セディーユ

 

子音字であるcの下に付いて、母音字a o uの前のcをサ行の音に変える記号です。

 

 

 

ca → ça 「カ」→「サ」

 

 

 

③トレマ

 

フランス語では、母音字の連続を1音で発音するのですが(例えば、aiなら「エ」)、トレマは母音字e i uの上に付いて、母音字の連続を強制的に別々に発音させるよう促す記号です。

 

 

 

ai → aï 「エ」→「アイ」

 

 

 

④アポストロフ

 

英語のアポストロフィと記号としては同じです。フランス語では、エリジオン(次回解説)という現象に用いられます。

 

 

 

ce est → c'est

 

 

 

⑤トレ・デュニオン

 

ハイフン記号のことで、語と語を結び付けます。

 

ラルク・アン・シエルという日本のアーティストがいますが、これはフランス語で「虹」という意味ですね。フランス語表記をすると以下のようになります。

 

 

 

l'arc-en-ciel

 

 

 

トレ・デュニオンおよびアポストロフが用いられています。

 

 

 

1-3.注意すべき文字

 

 

①フランス語ではhの発音をしません。hôtel オテル「ホテル」

 

 ただし、語頭のhには無音のhと有音のhの区別があります。どちらも発音をしないことには変わりない  のですが、有音の方は前の語末の文字との連結を遮ります。詳しくは次回お話します。

 

 

②kおよびwは外来語にのみ用います。つまり、フランス語本来の単語には用いません。

week-end ウィケンド「週末」(英語からの借用語)

 

 

③oとeが連続すると、oeという合字として扱われます。発音はウに近い。

soeur スール「姉妹」

 

④rの発音は独特です。舌の根元を上あごに押し当て、その隙間でうがいをするように出す音とでも説明できましょうか。スペイン語やポルトガル語にも同様の音がありますね。はじめはこれがとても難しいと思われます。

 

 

⑤語末の子音字はほとんどの場合発音しません。

 

tortトール「間違い」espritエスプリ「精神」sportスポール「スポーツ」

 

 

⑥語末のeは発音しません。

vueヴュ「見晴らし」maladeマラード「病気の」vendreヴァ―ンドル「売る」

 

今回は、フランス語の発音の基礎の基礎、文字表記について解説しました。具体的な発音の規則やアクセントなどは次回、詳しくお話したいと思います。

 

 

 

(文:加瀬 拓人)