あやふやメキシコ回顧録

サボテン、強い日差し、つば広帽子…メキシコ、それだけではないんです。

 

メキシコといえば何を思い浮かべますか?

サボテン、強い日差し、ギターをかき鳴らす陽気なおじさんたちとつばが広い帽子。そういったものを思い浮かべる人が多いでしょう。

 

しかし、それがすべてではありません。

皆さんのメキシコという国に対するイメージを少しでも膨らますことができたらいいなあ、と思いつつ、筆者のメキシコ愛によって思い出補正がかかりまくっている幼少の記憶を頼りに、メキシコでの生活を振り返っていきたいと思います。

 

 

 初めてメキシコという国を訪れたのは、引っ越す住まいの下見に行ったときでした。

 

当時5歳だった筆者が首都メキシコシティの国際空港に降り立った瞬間に感じたことは、「なんか臭い」でした。

 

初めは、この空港が臭いのかな、と思ったのですが、空港を出ても臭い。車で移動しても臭い。ホテルに入っても臭い。次の日になっても臭い。結局、メキシコシティに滞在していた3日間、原因不明のよくわからないにおいが消えることはありませんでした。

どのようなにおいかはもう忘れてしまいましたが、後にも先にも嗅いだことのないようなものだったことと、あまりにしつこいにおいに泣きそうになったことは今でも鮮明に覚えています。なぜあんなにおいがしたのかは今でもわかりませんが、メキシコシティは盆地になっているうえ、当時は排気ガスの規制などもあまりされていなかったので、汚い空気がたまり放題になっていたようです。その空気の汚さがにおいに直結したのかもしれませんね。

 

ちなみにその4か月ほど後にメキシコに引っ越した際は、そのにおいは消えていました。

 

汚いと言えば、実はメキシコシティは水が汚いことでも有名です。水道水が飲めないのです。ぱっと見は普通のお水なのですが、わずかでも体内に取り込んでしまうと、数時間後には確実にひどい腹痛に苛まれてしまうのです。

筆者も、水道水を補給した加湿器の蒸気を顔や口に吹き付けたりして遊んでいたら、その日の夜にトイレで1時間うなされるはめになりました。これはただの自業自得ですね。

こんな話を聞くと、浄水場が機能していないのか、と思われるかもしれませんが、浄水場はしっかりときれいな飲み水を作り続けています。それは小学4年生で浄水場見学に行き、そこの水を飲んだ筆者が保証します。そこの水を飲んでもおなかを壊すことはありませんでした。

実は、メキシコシティの水道水を生物兵器に変えてしまっていたのは、その浄水場から町中へ水を運ぶ上水道だったのです。地下を通る上水道は何年も整備されておらず、所々錆びたり穴が開いたりして、錆やら土やら虫やらが水道水に交じりこんでしまっているそうなのです。

 

事実かどうかは定かではありませんが、これが事実だとしても納得してしまうほど、メキシコシティの水道水はおなかを壊しやすいのです。

 

空気と水の汚さに加えて、メキシコシティは街も汚いです。道端にごみが散らばっていたり、道路の舗装が古くなってひび割れていたり、壁や広告にスプレーで落書きがされていたりと、かなりひどい有様です。

 

さて、メキシコ愛あふれる記事にするつもりが、気付けばメキシコの悪いところばかりを挙げていますね。

 

ただ、筆者はメキシコが嫌いなわけでも、メキシコを貶めたいわけでもありません。

 

何が言いたいかというと、これだけ悪い第一印象をもち、これだけ悪いところを挙げられるような国でも、しばらく住んでみると、様々な良いところを知ることができるとともに、欠点にも愛着がわいてきて、大好きになることができるのです。

なので、気になる国がある皆さん、一回そこに住んでみてください。

 

きっと素晴らしい思い出になりますよ。

 

 

 

(文・伊藤悠希)