ヨーロッパから1番身近なアフリカへ! ジブラルタル海峡の渡り方指南

ヨーロッパ・スペインからジブラルタル海峡を渡ってモロッコへ

 

“アフリカ”と言われたらどんな景色を連想するだろうか。動物たちが闊歩するサバンナの雄大な草原?それとも、ファラオたちが眠る荘厳なピラミッド?いずれにせよ異国情緒溢れる空気を味わえることは間違いないのだが、今回はそんなアフリカにある国の一つ、アラビアンな世界と広大な砂漠が広がる国“モロッコ”へ。ヨーロッパ・スペインから陸路・海路でアフリカ・モロッコを目指した。

(為替や時刻表、全ての情報は2016年8時時点のもの)

ジブラルタル海峡から見えるモロッコ
ジブラルタル海峡から見えるモロッコ

 

ヨーロッパからモロッコへ向かう航路はいくつか出ているが、筆者は行きにTarifa港, Spain - Tange旧港, Morrocoルート、帰りにTange新港, Morroco - Algeciras港, Spainルートを使用。この二つのルート、どちらにも良い点悪い点があるので注意が必要だ。前者のTarifa港, Spain - Tange旧港は所与時間が短いが(35-45分)、後者と比べると多少値段が高い。またスペイン側Tarifa港は交通の便が悪く周囲に何もない。もう一つのTange新港, Morroco - Algeciras港, Spainルートは1時間以上かかるが、価格はリーズナブル(30-40€程度)だ。そしてこちらはモロッコ側Tange新港が交通の便が悪いのである。港に着いてからよりスムーズに移動するには、行きは前者、帰りは後者のルートをオススメする。

 

フェズ、モロッコ
フェズ、モロッコ

 

スペイン国内から各港まではバスが安くて便利だ。例えばALSAというスペインのバス会社はマドリード、バルセロナ等のスペイン主要都市からカサブランカ等のモロッコ主要都市までのチケットを販売している。バス・フェリー・バスといった具合に、スペインで乗っていたバスも一緒にフェリーでアフリカ大陸に渡るのだ。ちなみに行きはALSAでマドリードからカサブランカが90€であった。

 

モロッコ国内にて バスから見える景色
モロッコ国内にて バスから見える景色

 

マドリードのバスターミナルを22:00発。乗客は筆者ら以外アジア人は見受けられなかった。多少のスペイン人と、スペイン移民のモロッコ人がほとんどである。港まで8-9h、ひたすら南へ向かう。休憩は一度だった。そこの休憩所ではアラビア語の看板が立っており、さながらもうモロッコにいるかのようである。ちなみにモロッコではアラビア語とベルベル語だが、フランス語も広く使われ、北のほうの観光地ではスペイン語も通じる。一般国民にはほとんど英語が通じないので、覚悟しておくこと。(若い人なら多少通じる人もいた)

 

バスの椅子は固くその他の乗客たちはひたすらうるさかったが、なんとか次の日の朝7:30頃Tarifa港に着いた。9:00発のフェリーでTange旧港へ。簡単な出国手続きが港で行われ、フェリーに乗ってから入国手続きが行われる。簡単な一枚の紙を書くだけで良く、書き方はきちんと説明書きがあり、英語で書けばオーケー。フェリー内は快適で、長時間バスの疲れを多少癒すことができた。あっという間にTange旧港に着くと、同じフェリーで海を渡ったバスにまた乗り込み、16時過ぎ頃カサブランカのバスステーションに着いた。バス船バスの長旅後は想像以上に疲れているので、バスステーションのすぐ近くにホテルを取っておくと良いだろう。

 

カサブランカのメディナ入口
カサブランカのメディナ入口

 

マドリードを出てから18時間、日本円にして一万円ほどでスペインからモロッコに行くことができる。飛行機で行けば2h足らずの飛行時間でマドリード-カサブランカに行けるが、料金は2-4倍だ。モロッコの物価はそんなに安くない。物によってはむしろスペインの方が安いくらいだ。また観光地では必ずふっかけられるので、強い意志をもってしっかりと値段交渉しよう。日本人だとわかるとさらにぼったくられるので、観光客・日本人アピールはなるべきしない方がよい。物を買う時だけでなく、タクシー等に乗るときも十分注意すること。向こうから売り込んでくるタクシーの運ちゃんの話には乗らず、自分でタクシーをつかまえて値段を聞いてみるとよい。

 

(メディナで露天商から買うことのできる果物。フィグとサボテンの実)

 

 

モロッコの通貨はDH(ディルハム)で、両替は空港、銀行や両替商などでできる。カサブランカなどの栄えている場所では比較的どこでも両替できるイメージだ。ユーロからも円からも両替可能だが、円からの方がレートが良かった。ちなみにこのディルハムという通貨、流通しているのはモロッコ国内だけで、使えるのもモロッコ国内のみ。そしてモロッコ国外持ち出し禁止ということになっている。もちろん両替できるのもモロッコ国内だけだ。帰りのフェリーの中でさえディルハムは使えないので、多少お土産として残す以外は出国前にしっかり円かユーロに替えておこう。

 

移動は基本国営バスのCTMで、カサブランカとフェズをまわった。そんなに乗り心地がよろしいとはいえないバスだが、値段も決まっているしおよそ時間通りに動くのでモロッコ内の移動には重宝する。カサブランカからフェズまでは6時間少々で100DH(日本円にして1000円とちょっと)。長時間かけてバスでスペインからやってきてモロッコ国内の移動もバスなので、そろそろバスのことがキライになってくるかもしれない。すばらしいフェズのメディナについては次の機会に書くとして、今回は移動方法指南に徹しよう。

 

つらいけれど安くて便利なのが長距離バス
つらいけれど安くて便利なのが長距離バス

 

帰りも帰りで長丁場だ。フェズからTange旧港まではCTMバスで行けるが、そこからタクシーかローカルバスでTange新港を目指さなくてはならない。タクシー乗り場で客引きにもみくちゃにされながらも、現地の優しいお姉さんに助けられ、なんとか相場な値段のタクシーをつかまえることができた(グランタクシー:3人で210DH)。のちに詳しく述べるが、ここでモロッコ観光の難しさを強く思い知らされたのだった。「フェリーまで時間がないから急ぎめで!」とお願いする筆者に対し、グランタクシーの運ちゃんはなんと最高速度時速150kmオーバーという驚異的なスピードで港を目指してくれた。これ以上のスピードで走る車に乗ることは金輪際ないに違いない。

 

(フェズ なめしの皮加工所と、それらでできたお土産品)

 

19:00頃Tange新港に到着。19:30発のフェリー(35€/1人)を買ったが、時間を過ぎても全然出発しなかった。モロッコとスペインの時差は1時間。モロッコ時間で21:30アルヘシラス発のバスをスペインで予約していたのだが、どうやら間に合わなさそうな雰囲気である。結局20:30に出向したフェリーは22:00(スペイン時間で23:00)頃にアルヘシラスに到着した。もうバスもなくどうしようと絶望的な気持ちでると、なんとALSAのバスは筆者らを待っていてくれたのだ!この時の感動はえもいわれぬものであった。スペインで長時間バスを利用する際は是非ALSAを使うことをおすすめする。(笑)

もちろん毎回待ってくれるとは限らないので、フェリーとバスの時間には十二分に余裕をもたせねばならない。

 

フェズのメディナにて
フェズのメディナにて

 

先ほどモロッコ観光の難しさについてふれたが、具体的にはどういうことか。モロッコの人々は基本的にとても気さくでよく話しかけてくる。ただし、その笑顔が観光客を騙すためのものなのか、優しさからくるものなのか見分けるのが非常に難しいのだ。手助けしてくれているのだと思ったおじさんにふっかけられたり、騙そうとしているのだと思ったお姉さんに助けられたり。もちろん人を初めから疑ってかかるのは良くないことである。しかし異国の地での観光となるとそうも言ってはいられない。ある程度の危機感を常に持っているべきだ。周囲に注意を払いつつ、あなたに向けられた本当の優しさだけをみつけながら、モロッコでの旅を楽しんでほしい。

 

(文・中山知香)