霧にけむる冬のヴェネツィア 仮面カーニバルのススメ

貴族さながらの豪奢な衣装と石畳が残る街並み、まっしろな霧と運河を下るゴンドラ…冬のヴェネツィア名物・仮面カーニバルを徹底レポート!

 イタリアが誇る世界遺産、水の都・ヴェネツィア。澄み渡る青空に可愛らしい家々、運河をゆったりと進む趣あるゴンドラ…そんな風景を思い浮かべるひとも多いでしょう。

 

一年中観光客でにぎわうヴェネツィアですが、とりわけ7〜8月のバカンスシーズンには世界各地から人がどっと押し寄せます。街なかは大混雑、航空券やホテルはここぞとばかりに値上がり…学生のみなさんにとっては長期休みで行きやすいとはいえ、価格ゆえに手が出しづらいのではないでしょうか。比較的航空券が安くなるのは冬季ですが、冬は日も短いし寒いし天気も悪そうだし、あんまり楽しめないんじゃ…と、ちょっと迷ってしまいますよね。

 

ですが、そんなことはないんです!冬だってめいっぱい楽しめるんです!

 

今回は冬のヴェネツィアの一大イベント・仮面カーニバルについてご紹介します。

 

 

こちらが今年のヴェネツィア・カーニバルの様子。中世そのままの街並みのなかで豪華絢爛な衣装をまとった人々が闊歩する様子に、一体いまが何世紀なのかわからなくなってしまいそうです。

 

 

見どころはなんといっても色とりどりの衣装!細部まで手がこんでいて、豪奢な羽飾りがついていたり、繊細な刺繍がほどこされていたりと、どれひとつとして同じものはありません。ヴェネツィアに住む人々は、代々カーニバルのための衣装と仮面を親から子へと受け継いでいるのだとか。夫婦やカップル、グループで揃いの衣装に身を包んでいる人々に、おもわずほっこりします。

 

カメラを向けると、みんなノリノリでポーズをとってくれます。なかには日本風の仮装をしたかわいらしい子供たちも。

 

 

そして、この華やかなカーニバルのもうひとつの魅力は、誰でも自由に参加できること!観光客も一緒になって仮装したり、仮面を纏ってカメラに向かってポーズをとったりすることが可能です。貸衣装は10万円以上することもあってかなり高額ですが、簡単に付け外しできる小さな仮面なら安くて4ユーロ〜購入することができます。

 

街のいたるところで仮面が売られています。

 

 

仮装していた男性のひとりに話しかけてみると、彼はオーストリアから訪れた観光客とのこと。毎年欠かさずこの時期にヴェネツィアを訪れ、自前の衣装をまとって仮装行列に参加するのだそうです。「人生のなかの恒例行事みたいなものなんだ」とはにかむ笑顔はほんとうに楽しげで、街中にあふれる音楽とともにカーニバルの雰囲気をいっそう盛り上げていました。

 

 

カーニバルの時期のヴェネツィアで、もうひとつ楽しみなのが郷土菓子「フリッテッレ」。この時期になると出回る揚げ菓子で、しっとりふんわりした軽めの生地が魅力のドーナツのようなもの。

 

(写真:Wikipediaより)

 

味の種類はさまざまで、大きめのパン屋さんやお菓子屋さんなどでは定番のカスタードクリーム入りや、アルコールの香るザバイオーネクリーム入り、ヴェネツィア伝統のレーズン入り「フリッテッレ・ヴェネツィアーノ」、チョコレートクリーム入りなど十数種類とりそろえていることも。どこのお店に行っても必ず売っていて、1つ1ユーロ〜2.5ユーロで食べられます。

 

昔ながらのおやつといえど、お店によって味も質も多少異なるので、ぜひ街歩きをしながら見つけたお店をハシゴして食べ歩きを楽しんでみてください。(個人的には行列のできる有名店よりも、路地裏の小さなお店、とくに地元の奥さんたちがおしゃべりに興じているようなあたたかいお店のものがおすすめです。)

 

 

人々がこぞって厚手のコートを着こみ、青空が姿を隠す冬のヴェネツィア。一見さびしげな雰囲気ですが、中世の貴族と見まがうほどの豪華な衣装に身を包んだ人々と、石畳がそのまま残る昔ながらの街並みに、まっしろい霧が見事に調和し、ひときわ幻想的な空間を作りだしています。冷たい風が沁みたら、目にとまった一軒のカフェに入りましょう。熱々のカプチーノと、揚げたてのフリッテッレを頬張れば、寒さもどこかへ吹き飛んでしまうはず。

 

今年の冬の旅先候補に、ぜひ、ヴェネツィアを入れてみてください。

 

※2017年のカーニバルは2月11日、12日にオープニングイベントを行い、2月18日〜2月28日までがメインの開催期間となります。詳細は公式サイトをご確認ください。

 

 

 

(文・三橋 咲)