スペイン「トマト祭り」であなたもトマトまみれに!

~スペイン・ブニョールで毎夏開かれるトマト投げ祭りのパーフェクトガイド~

"La Tomatina"(ラ・トマティーナ)というスペインの祭りをご存知だろうか?日本では「トマト祭り」として知られている。最近人気テレビ番組で紹介され、認知度が高まってきている「お祭り」の一つだ。スペイン バレンシア州にあるブニョールという小さな町で毎年8月の最終水曜日に行われる。今年(2016)8月最終日に開催されたトマティーナに参加してきた筆者が、その参加方法と「トマト祭り」の実態、持っていくべきもの等をレポートする。

 

トマティーナは前日の前夜祭から始まる。その際にはトマトは用いられず、飲めや踊れのパーティーのようなものだ。前日ブニョールより南にあるベニドルムという観光地に滞在していた筆者は当日からの参加だ。トマティーナのチケットは公式サイトから事前に購入できるが、公式サイト以外でもバスや食事がセットになったチケットを販売している。筆者はこちらのサイトでベニドルムからの往復バスとトマティーナ公式ティーシャツがついたチケットを購入した。90€(支払い手数料別)。これらのサイトは日本語に対応していないが、みゅうで日本語対応可な添乗員さん付きのチケットを購入することができる。もちろんサイトも日本語だ。

 

頭からつま先までトマトまみれになれる
頭からつま先までトマトまみれになれる

 

8月31日、トマティーナ当日。4時に起きて支度をし、5時にベニドルム発のバス集合場所へ。ブニョールには8時半頃到着。何十台というおびただしい数のツアーバスが停まっていた。トマティーナではトマト投げが始まる前に"palo jabón"(パロ・パボン)と呼ばれる行事があるのだが、見ることができなかった。"palo jabón"とは石鹸の棒という意味で、石鹸が塗られ滑りやすくなった木の棒が立てられ、その棒の先端には生ハムがくくりつけられる。棒によじ登って生ハムを取れた人が英雄視されるという、一見トマトとなんの関係があるのかと言いたくなる催しだ。

 

バスを降りるとティーシャツが配られたので各々そのティーシャツと捨てても良い服、水着等に着替える。更衣室のようなものはないので、服の下に着ていくか体に巻きつけられる大きなタオルを持っていくと良いだろう。もろもろの持っていくべきものリストは後に記載する。バスの駐車場から会場まで歩く途中でスタッフから入場券代わりのリストバンドを、事前に印刷してきたチケットと交換でもらった。

トマティーナ公式Tシャツと入場券となるリストバンド

 

会場はもちろんの事、そこまでの道中もトマト投げが始まる前から十分に盛り上がっている。すでに水やワインでびしょびしょの人がたくさんだ。一緒に写真を撮ったりサングリアをかけあったりしながら会場へ。手作りティーシャツやトマトコーデをした日本人も多く見受けられた。会場の入り口にはリストバンドをチェックするスタッフがずらり。ツアーでない場合は事前に印刷した紙のチケットを入り口とは別の受付で引き換えねばならないのだが、紙のチケットをスタッフに見せて追い戻される人もちらほらいた。

 

町全体がお祭りモード
町全体がお祭りモード
会場入り口。ここでスタッフがリストバンドを確認する
会場入り口。ここでスタッフがリストバンドを確認する

 

会場内に入ると周りの住居はカバーがされていて、時折住人たちが窓からトマティーナ参加者に水をかけていた。水が降ってくるたび、人々のテンションは上がっていく。会場入り口に近い方に①と書かれた弾幕があり、奥に進むに連れて人口密度が高くなる。1度入ったらトマト投げが終わるまで、もう戻るのは難しい。筆者は最終的に③と④の弾幕の間でトマト投げに参加した。ものすごい量の人。トマトではなく人間が押しつぶされるのではないかと思うほどだ。それでも激戦区で参加したい!という方にオススメなのが壁際(できれば角)を確保すること。

 

④の弾幕。一度入ったら戻れないほどの人
④の弾幕。一度入ったら戻れないほどの人

 

 11時前後に最初のトマトトラックがやってきた。トラックが道を通る分、人が押しのけられて圧死寸前である。それでもいざ始まってみると非常に楽しいものだった。トマトトラックには大量のトマトとそれを投げつけてくる人々が乗っていて、手や歓声をあげてアピールすればその方向へ投げてくれる。トラック通過後はキャッチしたり拾ったりしたトマトを誰これ構わずひたすら投げ合った。トマトはつぶして投げるのがルールだが、時折まんまるトマトが飛んできてまともに当たるとかなり痛い。投げつ投げられつつ、人々は髪の毛一本一本からつま先までトマトまみれだ。

 

わき上がる歓声ととびまわるトマト
わき上がる歓声ととびまわるトマト
トマトの川。深いところは足首までトマトに浸かることができる
トマトの川。深いところは足首までトマトに浸かることができる
トマトまみれでトマトくさいまま、ぞろぞろと会場を後にする
トマトまみれでトマトくさいまま、ぞろぞろと会場を後にする

 

6台目のトマトトラックが通り過ぎたらトマト投げはおしまい。辺りはいつの間にかトマトペーストの川のようになっている。会場を出ても町はまだまだお祭りモードで、パエリアやボカティージョ、サングリア、ビールなどを売っていた。トマトだらけの道をトマトまみれの体で駐車場に戻る道中、住民たちがホースで水をかけてくれる。しかしこれは焼け石に水のようなものなので、会場と駐車場の間くらいに設置されている別料金のシャワースペース(water zone)を利用するか、2Lペットボトルに水をいれて持っていくと良いだろう。筆者は後者でどうにかトマトとサヨナラして着替え、バスに乗って許される格好になった。ちなみに、余程の短髪でない限り髪の毛に入り込んだトマトをその場で落とすのは不可能なので、諦めてまとめ髪にし、ホテルに戻ってからゆっくり落とそう。ここでいくつかの注意事項とお勧めの服装・持ち物を紹介する。

 

Tシャツもこの通りトマト染めに。Before&After

バスの位置を忘れたらおいていかれてしまうかも?
バスの位置を忘れたらおいていかれてしまうかも?

 

◯ツアーバスで参加する場合、同じようなツアーバスが大量に停まっているので、バスのナンバーを控え写真を撮るなどして酔っぱらっても場所を忘れないようにする。

◯電車で参加する場合、初めに往復チケットを購入しておくこと。それがあると帰りの際に電車利用客のためだけのシャワーを使うことができる。

◯服装としては、インナーには水着(できれば捨てても良いもの)、その上にティーシャツ・ショートパンツ(どちらも捨てて良いもの)。脱げないサンダル(ビーチサンダル等は危険)、もしくは捨てて良い靴。目にトマトが入るとしみて痛いのでゴーグルもマスト。現地で露天商から購入することもできる。

◯持ち物は最小限に!貴重品は持っていかない。

☑チケット(メールで送られてくるので事前に印刷しておく)

☑パスポート(チケット引き換えの際に必要)

☑飲み水

☑浴び水(シャワー用)

☑着替え

☑タオル(できれば捨て用と綺麗なもの2枚)

☑ビニール袋

☑小銭

☑その他適宜、携帯電話(防水ケース必須)や防水カメラ、軽食やおやつ

 

いかがだっただろうか。トマト投げ後にトマトがトラウマになって食べれられなくなる、なんてことはなかったので安心してほしい。残念ながら、現場の熱狂ぶりを言葉で完璧に伝えるのは難しい。トマトまみれになる機会というのは、世界中探しても間違いなくここでしか得られないだろう。お祭り好きの方にはぜひ実際に参加して、このクレイジーなトマト祭りを体感してみてほしい。

 

(文・中山 知香)