「君の名は。」聖地を巡る ふらり一人旅入門編

大ヒット映画のモデルとなった地を巡る...だけじゃない。出会いに満ちた初一人旅の記録

岐阜県、飛騨地方。その悠然たる山脈と、世界遺産白川郷のイメージで、多くの人がその地を知っていることでしょう。それでも「京都」「北海道」などと比べるとイメージは薄いですよね。

私も、今まで自分がこの地へ旅行に行くことになるとは思いもしていませんでした。それでは、なぜ私が今回飛騨に行くことにしたのかというと・・・

 

それはズバリ、この夏大ヒットを記録した映画「君の名は。」がきっかけでした。

皆さんの中でも観た人が多いのではないのでしょうか。「君の名は。」の主人公の女の子・三葉が住んでいる糸守町は、飛騨地方の山奥がモデルであるとされています。実際に、劇中に出てくる駅や神社など、この地に実在しているものが多くあります。この映画のビジュアルに魅せられてすっかりハマってしまった私は、「夏休みいっぱいバイトしたし少しくらい使ってもいいか・・・!」と調子に乗り、この景色を見るために初めての一人旅を決意したのでした。

 

※聖地巡礼についてレポートするにあたり、映画のネタバレになるような事柄には一切触れないように配慮したつもりです。それでもどうしても話のあらすじには関わってくるので、それも含めてネタバレと感じる方には読むのをお勧めしません。

 

さて、「聖地巡礼」と銘打ったこの旅ですが、初めて自分一人で計画を立てることにテンションが上がり、あれもこれもと欲張って旅程を立てているうちに、どうやら「聖地巡礼」がメインの旅ではなくなってしまいました・・・。そんなちょっと忙しめな旅の概略がこちらになります。

 

10/1 バスタ新宿 07:05発 →JR高山本線高山駅バスターミナル 12:35着

「さんまち」「古い町並み」散策後、高山駅から三駅先の飛騨古川駅(「君の名は」聖地巡礼ポイント)へ

「飛騨古川さくら物産館」にて「組紐」作り体験

そこからほど近い「飛騨市図書館」(劇中名:飛騨古川図書館)へ

聖地巡礼を終え、高山駅へ戻る。駅から徒歩2分のゲストハウスへ。

荷物を置いて夜のさんまち通りを散策連日雨の予報でしたが、着いてみるとまさかの快晴!暑いくらいでした。

高山駅周辺

 

 

初日は早速聖地巡礼。今回私が訪れた聖地は、どれももう一人の主人公・瀧くんが飛騨を訪れた際に描かれているもの。瀧くんが降り立ったのは、JR高山本線の飛騨古川駅。ここが第一の聖地です。駅構内や線路など、劇中の風景と完全に一致!

瀧くんが聞き込みをしたタクシー乗り場です。

 

 

さらに、飛騨古川駅近くの施設で「組紐体験」(組紐〈くみひも〉というのは、主人公・三葉がおばあちゃんから引き継いだ、その地方の伝統的な紐の編み方で、作中のキーポイントでもあります)ができることを知り、予定にぶっこんだのはいいのですが、電車の本数が少ないせいで、着いて早々に高山から飛騨古川へ向かわなければならず、高山観光の時間がほとんど取れませんでした・・・。

ほとんどのお店が17時に閉まってしまうので、お昼頃の到着だとこうなってしまうんですね。これはとても残念でしたが、その代わりに組紐体験では一人旅ならではの出会いがありました。

 

体験会場では、ちゃぶ台に相席のような形で座って体験をします。

先客には地元の中学生が。隣にいた男の子も地元の方かと思っていたら、長野県上田市からロードバイクで走ってきたらしい。聞くと、なんと同い年。私と同じ「君の名は。」の聖地巡礼者でした。

彼は私よりもよっぽど熱心なファンで、すっかり映画の話で盛り上がりその後の聖地巡礼も共にすることに。体験を手伝ってくれたおばさまともすっかり仲良くなり、「また来ます」と別れを告げ、二人で第二の聖地ポイント・飛騨市図書館へ。

瀧くんが調べ物をした図書館です。受付で撮影許可証をもらうと館内を撮影できます。ほどよい規模の、素敵な図書館でした。

体験で作った組紐。話をしていたら気が逸れて、芸術的な柄に...
体験で作った組紐。話をしていたら気が逸れて、芸術的な柄に...
分かりにくいですが、このあたりで瀧くんは調べ物をしていました。
分かりにくいですが、このあたりで瀧くんは調べ物をしていました。

 

他にも三葉の実家の神社・宮水神社のモデルと言われる神社などにも行きたかったのですが、暗くなってきてしまったので断念。それでも映画の世界の雰囲気を感じられたので満足。

 

 

10/2 高山駅バスターミナル 07:00発→ 平湯温泉(経由) →上高地(長野県)着

上高地食堂で朝食をとり、9時頃トレッキング開始。河童橋~明神コースを約3時間かけて歩く。

シャトルバスにて平湯温泉へ。「ひらゆの森」にて日帰り入浴(500円)。

バスを待つ列でイタリア人の女性二人に出会い、高山駅に戻った後夕食を共にすることに。

 

この日も、トレッキングにぴったりなお天気。流石に高地なので寒いけれど、ウォーキング用のウィンドブレーカーを着るとちょうど良かったです。

いざ、トレッキングを開始すると、天候のおかげもあり、そこには想像以上の景色が。水の青さにうっとり、思わず「・・・生きててよかった」と心の中でつぶやきました。

2時間半のコースは不安ではありましたが、意外にざくざく歩けたので多少体力に不安があっても大丈夫だと思います。若さがあれば。(しかし飛ばし過ぎてこの後バテる) 

河童橋
河童橋
トレッキングコース途中の林道
トレッキングコース途中の林道
明神橋
明神橋
穂高連峰
穂高連峰

そして極めつけは、イタリア人との出会い。…言い忘れていましたが、私の専攻語はイタリア語です。平湯温泉から高山駅に戻るバスを待っている列で、後ろからイタリア語が聞こえてきました。

若い女性二人です。対外国人限定で謎のコミュ力を発揮する私、すかさずなけなしのイタリア語で話しかけます。“Lei è italiana?”(あなたはイタリア人ですか?)もちろん答えは”Sì!”(ええ!)

そこは気さくなイタリア人、「もしよければ、一緒に夕食を食べよう!」とのお誘い。その後特に予定もなかったので便乗。しかし二人のうちの一人が「私、ベジタリアンなの」・・・

 

飛騨牛が売りの高山。どこも飛騨牛メニューだらけ。高山ラーメンは昨日食べたからそれ以外で・・・ってChe difficile!(なんて難題なんだ!)

頭を抱える私。しかしそこは観光地、ちゃんとベジタリアン用のメニューがあるお店がありました。そこの店員さんのイタリア語がペラペラで(イタリア人観光客が多いから覚えたらしい・・・それにしても流暢だった)ショックを受けたのは余談ですが。

 

2人は来週末には東京に来るそうなので会う約束をしました。出会いからのつながり、これも旅の魅力のひとつ。
2人は来週末には東京に来るそうなので会う約束をしました。出会いからのつながり、これも旅の魅力のひとつ。

 

 

10/3 7時前にゲストハウスをチェックアウト。陣屋前朝市と宮川朝市をハシゴする。

高山駅バスターミナル07:50発 →白川郷(萩町)08:40着

店がほとんど開いていないので白川郷の湯にて日帰り入浴(700円)。

シャトルバスで萩町展望台へ。合掌集落を眺める。

和田家にて見学(300円)。

白川郷(萩町)14:35発 →高山駅バスターミナル 15:25着

ささっと最後のお土産を購入し、再びバスターミナルへ。

高山駅バスターミナル16:00発 →バスタ新宿 21:30着

 

長くなってきたのでここは写真の紹介にとどめます。

最終日はあいにくの雨。平日なので観光客は外国人ばかり(あ、月曜が全休なんです。自主全休とかじゃないんですよ、ホントに)。一度は見てみたかった、白川郷合掌集落。実際行ってみるとそんなに広くはないのですが、合掌造り家屋の保全のために、さまざまな取り組みが行われているようです。

中には現在も一般家屋として使用されているものもあり、それを一般公開しているものがいくつかあります。時間があったので、ゆっくり見学。その後白川郷をひとしきりカメラに収め、高山へ。2泊3日の旅を終えました。

 

展望台から見た合掌集落
展望台から見た合掌集落
10月初め、早くも紅葉の気配が!
10月初め、早くも紅葉の気配が!

私は、今回初めて一人旅をして本当に良かったと思いました。友達や家族との旅もいいけれど、これだけ「一人の時間」を得る機会はありません。

私はここに来て初めて、大学に入ってからというもの、常に何かに追われて、一人でゆっくり自分のことについて考える時間を持ってこなかったということに気付きました。これは自分の中でとても大きなことでした。

そして、何より予想以上にたくさんの人に出会えたこと。一人だからこそ、声をかけられることも多かったのだと思います。旅先での出会いなんて、本当にあるのかな?と思っていたけれど、おかげで一人旅をしていても一人ではありませんでした。

 

旅順を自由に立てられるのも魅力の一つです。(実際、計画を立てている時が一番楽しかったと言っても過言ではありません)旅が始まってからでも、その気になればいくらでも変えられるし、気になるところがあればいくらでも戻れます。

 

忙しい学校生活の息抜きに、ふらり一人旅、いかがでしょうか。

 

 

(文・大塚舞優美)